運動と脳の関係⑦
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
TIMSSは、1955年以来4年ごとに実施されている。
1999年には38か国から23万人の生徒が受験し、
米国からは59,000人が参加した。
シカゴの、比較的恵まれた階層が暮らすノースショア地域の
ニュートライアーと18の学校は、1グループとして
TIMSSを受け、(そのため個々の学校の成績はわからない)
ネーパーヴィル203学区もまとまって参加し、
生徒の成績を国際基準に沿って調べた。
8年生の約97%が参加したので、特別優秀な生徒に
限ったわけではなかったが、驚くような結果が出た。
TIMSSの理科のテストで、ネーパーヴィルは1位になったのだ。
わずかの差でシンガポール、
そしてノースショアのグループが続いた。
つまり、世界一、である。
数学ではネーパーヴィルは6位となり、
その上にいるのはシンガポール、韓国、台湾、香港、日本
だけであった。
米国の生徒の平均は、理科が1位、数学が19位で、
ジャージーシティとマイアミの地域はそれぞれ理科と
数学で最下位であった。
「米国の学区間には非常に大きな開きがあります」
とTIMSSを監督するアイナ・マリスは言う。
「ともあれ、ネーパーヴィルのような学区の存在は
喜ばしいことです。
やればできるということを示しているのですから」
もっとも、ネーパーヴィルの生徒が賢いのは、
独自の体育プログラムの成果だ、と言い切ることは
できないだろう。
学力に影響する要素はたくさんある。
実を言うと、
ネーパーヴィル203学区は人口統計的に見て
恵まれた地域なのだ。
203学区では2,6%しかない。
さらに住民の大半が、アルゴンヌ研究所やフェルミ研究所、
ルーセント・テクノロジー社といった、科学系の職場に
勤務しているので、生徒の多くは親が高学歴だといえる。
環境的に見ても、遺伝的に見ても、
ネーパーヴィルは有利な立場にあるのだ。
それでも、ネーパーヴィルに関して目を引くのは
2つの要素だ。
独自の体育と試験の好成績。
私はその相関に好奇心をそそられ、
現地で何が起きているのかをこの目で
たしかめられずにはいられなかったのだ。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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