運動と脳の関係⑮
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
体育がGPA(学業平均値)に及ぼす効果について、
わたしたちはいったい何を知っているのだろう。
この問題に取り組んだ研究者は少ないが、
ヴァージニア工科大学の研究では、体育の授業を減らして
数学や理科、リーディングの時間を増やしても、
試験の点数は上がらないことが証明されている。
この結果には多くの学校関係者がうなずくはずだ。
もっとも、一概に体育の授業といっても中身は様々なので、
この分野の研究は、もっぱら健康状態と学業成績との相関に
焦点を当ててきた。
最もわかりやすい研究は、カリフォルニア州教育局(CDE)に
よるもので、過去5年にわたるその結果は、
健康状態の良い生徒は、試験の成績も良いということを
一貫して示している。
CDEの研究によって、100万人以上の生徒の標準的な
学力検査の点数とフィットネスグラムの得点が相関することが
わかった。
フィットネスグラムとは、国が定めた身体能力の評価法で
体幹の筋力と柔軟度、上半身の強さ、全身の柔軟性、の
六項目を測定する。
生徒はそれぞれの項目で最低基準をクリアすれば
一点獲得できるので、フィットネスグラムの最高得点は六点だ。
注意したいのは、このテストは
生徒がどれほど健康であるかどうかを測定するものではなく、
各項目で最低基準を満たしているかどうかを判定するものだという点だ。
つまり、合否判定である。
CDEの2001年の調査では、健康な子どもの学力検査の点数は、
そうでない子どもの2倍も高かった。
CDEの2002年の再調査では、社会経済的地位も考慮に入れた。
予想された通り、生活水準の高い生徒は学力テストの点数も
高かったが、低所得者層だけで見れば、健康な生徒の方が
そうでない生徒より成績は良かった。
このデータには励まされる。
それが意味するのは、
親は家計の状況はすぐには変えられなくても、
子どもの健康に気を配ってやれば、
子どもは良い成績が取れるようになる、ということだ。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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Wakayama
参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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