運動と脳の関係⑧
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
ネーパーヴィルの革命は、そうした取り組みの常で
半分は理想主義から、半分は自衛のために始まった。
旗手となったのは、先見の明のある中学校の体育教師、
フィル・ローラーで、米国の子供の健康状態が下降しつつある
という新聞記事を読んだのがきっかけだった。
1990年のことである。
「記事には、子どもたちが不健康なのは
あまり動かなくなったからだと書かれていました」
と、ローラーは振り返る。
背の高い50代の男性で、縁なし眼鏡をかけ、
カーキ色のスラックスに白いスニーカーを履いている。
「最近では、肥満が急増してるのは誰でも知っていますが、
90年くらいにそのような記事が載るのはまれでした。
教師仲間と話し合ったものです。
ぼくたちは毎日子どもと接している。
彼らの健康に良い影響を与えられるんじゃないだろうか。
それがぼくたちの仕事なのだから。
今のままにしておいていいわけがない」
ローラーはかねてから、
自分の職業にあまり敬意が払われていないと感じていた。
加えて、学校はカリキュラムから体育を減らしはじめていた。
そんな折に目にしたのがその記事だった。
彼は、かつて大学野球でピッチャーとして活躍したが、
プロにはなれなかった。
しかし、スポーツに関わっていたかったので体育の教師となった。
誠実で、セールスの才があり、リーダーの資質も兼ね備えている。
ネーパーヴィル203学区のマディソン中学校で体育を
教えるかたわら、
セントラル高校野球部のコーチを務め、
学区の体育のコーディネーターもしていたが、
そのような立派な地位にあっても、
職業を恥ずかしく思うことがあった。
彼にとってその記事は、
自分の仕事を意義あるものにする機会も与えてくれたのだ。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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Wakayama
参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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