運動と脳の関係㉔
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
長くなっていますが、今しばらくお付き合いください。
ネーパーヴィルの奇跡が起きたのは、
ローラーとジェンタルスキの力によるところが大きい。
「以前、体育では懸垂をさせていました」
と、ジェンタルスキは後悔するような口調で振り返る。
「うちの学区の男子生徒の約65%は、懸垂が1回も
できなかったと思います。体育の授業に出て、
しくじりなさい、というわけです」
ジェンタルスキは鬼軍曹から体と脳と心の彫刻家へと
変身したわけだが、なにより驚かされるのは、
彼が根本的なところから体育を変えようとしていることだ。
例えば、彼がセントラル高校で起こした
最も革新的な変化の一つは、
スクエアダンスを新入生の必修科目に加えたことだ。
それの何が新しいのかと思うかもわからないが、
その目的は、ダンスの習得よりむしろ社会性を
身につけさせるところにあるのだ。
生徒たちはパートナーと踊るだけでなく、
会話することも求められる。
いろいろな意味で素晴らしいアイデアだ。
最初の数週間は、全員台本を与えられ、それに沿って
パートナーと会話し、一曲踊り終える度にパートナーを変える。
授業が進むにつれて、生徒たちは台本なしで会話することを
指示される。
最初は30秒、それをだんだん長くしていく。
最終試験では、15分間パートナーとおしゃべりをしたのち、
パートナーに関する情報を10件、
正確に覚えているかどうかを問われる。
内気な生徒の中には、人と話したり、友だちをつくったりする
方法を学ぶ機会がなく、自分の殻に閉じこもり、とくに
異性をさけようとする子がいる。
しかし、ジェンタルスキのスクエアダンスのクラスに出た
生徒は、一人だけ選び出されたり、社会性を養う特別クラスに
追いやられたりせず、怖さを感じなくてすむ設定で、
会話や交流の仕方を勉強できるのだ。
この活動は気晴らしになる一方で、
生徒の自身も育てる。
対話のコツを身につける生徒もいれば、
気おくれを克服するので精一杯という生徒もいるが、
皆がやっていることなので、それほど照れくさくはない。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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Wakayama
参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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