運動と脳の関係⑳
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
誰もがこのような幸運に恵まれていれば、と思わずにはいられない。
ネーパーヴィルで健康状態を調査したスポーツ生理学者、
クレイグ・ブルーダーは、体育の授業で生徒が18の種目から
好きなものを選べることに注目する。
「皆が忘れてしまっているのは、生徒がうまくこなせて
満足できるものを見つけてやるべきだということ、
つまり、無理なく楽しめる運動をさせるということです。
たとえば、バスケットボールをしなさいというように、
選択の余地を与えず、まるで懲罰か新兵訓練のように
押し付けていては、生徒がそれを続けるはずはありません。
ネーパーヴィルでは生徒に選択肢を多く与え、
得意なものを選べるようにしています。
つまり、生涯続けられる運動の計画を立てさせているのです」
それは、大人が健康維持の方法を考える際にも必要なことだ。
ジェンタルスキは見学者たちを、以前は女子専用の体育館だった
ところに案内し、セントラルの体育プログラムの自慢の設備を見せた。
それは、高さ7,3メートル、幅5,8メートルの
クライミングウォールとハイ・ロープス・コース(高いところに
ロープを張った運動設備)で、新設したリーダーシップを教える
クラスで最近使い始めたものだ。
ジェンタルスキは信頼とコミュニケーションの大切さを
教えるための訓練の方法を説明する。
ウォールクライミングをする生徒は目隠しをされ、
パートナーの指示を頼りに次の手がかりをつかんでいく。
クライミングウォールの新しい部分は、心身に障害のある
生徒でも楽に登れるよう緩い傾斜になっている。
指示が信用できるのかと質問され、ジェンタルスキは、
生徒は競争しているのではなく、協力してやっているので、
ケガをすることはめったにないし、それを学ばせることが
最も大切なのだと答えた。
「高校を卒業するまでに、子どもたちにできるようになって
いてほしいことは何でしょうか。
多くの人はこう答えるはずです。
コミュニケーションがうまく取れるようになってほしい。
何人かと協力しながら仕事ができるようになってほしい。
問題を解決できるようになってほしい。
リスクをおそれない人になってほしい。
それを学ぶことができるのはどこでしょうか」
ジェンタルスキは客人たちを見渡した。
「理科の授業でしょうか・・・。
私はそうは思いません」
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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