運動と脳の関係⑱
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
「私は研究者ではありません。体育教師です」
ジェンタルスキはそう言いながら、
セントラル高校のオフィスを埋める12名の教師たちに
CDE(カリフォルニア州教育局)の調査結果のコピーを配った。
近隣のサウスサイド・シカゴから来た教師もいれば、
オクラホマ州タルサの農村地域からやってきた人もいる。
それは、ネーパーヴィル203学区が「新しい体育」の理念を
取り入れた「生活のための体育(PE4life)という
非営利機関のモデル校になっているからだ。
公立学校に毎日の体育を義務付けているのは
全米でイリノイ州だけで、「生活のための体育」は
その状況を、そして体育の教え方そのものを変えるよう
議員にはたらきかけている。
ジェンタルスキは立ち上がった。
「さあ、見学に行きましょう」
ジェンタルスキは熟練のUボートの艦長のように堂々と
教師たちを従えて廊下を進んでいく。
最初に足を止めたところでは、助手を務める生徒3人が
トライフィットというコンピュータシステムで2年生の
身体検査をしていた。
「子どもに、心拍や血圧、体脂肪、休憩の目標値を持たせるのは
健康でいたいという気にさせる確実な方法です」
とジェンタルスキは説明する。
確かに、毎朝体重計に乗るだけで太りすぎの人は体重を落とせることが
実証されている。
しかし、ローラーとジェンタルスキが抱く野望は、
生徒たちのBMIを改善するといったことをはるか超えたものだ。
「よくお話しするのは、体育教師としてのわたしの仕事は、
子どもたちを健康にすることではないということです」
とジェンタルスキは言う。
「わたしの仕事は、健康でいつづけるために知っていなければ
ならないことをすべて彼らに教えることなのです。
エクササイズ自体は楽しいものではありません。
それは一種の義務です。
それを生徒に理解させることができたら、
その利点も教えてやって下さい。
それこそが画期的な変革なのです。
特に私たち指導者にとって。
私たちは何でも管理したがります。
掛け声をかければ、
65人の生徒を白線上に並ばせることもできます。
実際、教師たちは長年にわたってそのようにしてきました」
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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