運動と脳の関係⑰
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
40人の生徒ー健康な生徒とそうでない生徒を半分ずつーを
選び、注意力、作業記憶(ワーキングメモリ)、
処理速度を比較した。
この認識テストの間、生徒たちに電極を埋め込んだ
水泳キャップのようなものをかぶらせ、脳の電気活動を測定した。
すると、健康な生徒の脳の方が、脳電図(EEG)は活発な動きを見せ、
注意力に関わりのあるニューロンがより多く働いていることを示した。
「健康な生徒の脳の働きは、より調和がとれていました」
とヒルマンは言う。
すなわち、より健康であれば、より注意力にすぐれ
よりよい結果が出せるのだ。
ヒルマンはまた、被験者たちが間違ったときの脳の反応に
印象的な違いを発見した。
脳の活動を測定中、彼はフランカーテストとよばれるものを行った。
それは、大文字のHかSが5個並んだものがスクリーン上に
いっせいに現れる。
問題となるのは真ん中の一文字で、それがHの時は一方のボタンを押し、
Sの時はもう一方のボタンを押す。
「HHSHH」 というような並びが1秒ごとに次々表示されると
間違えやすいが、間違えるとすぐにわかるようになっている。
ヒルマンが発見したのは、
「間違えたとき、健康な子どもは心を落ち着かせ、
次は間違えないようにする」
ということだ。
いったん立ち止まって結果を見直し、失敗した経験を
次の選択で活かすようにする能力は、
遂行能力(エクゼクティブファンクション)と関連があり、
その機能は脳の前頭前野と呼ばれる領域が司っている。
失敗から学ぶことは日々の生活でとても重要であり、
ヒルマンの研究は、運動(少なくともその結果としての健康状態)
がその基本的能力に強く影響しうることを示している。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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