運動と脳の関係⑫
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
新しい取り組みをしようとするリーダーには
補佐役が欠かせないものだ。
ローラーにとって、ポール・ジェンタルスキは
誰よりも頼りになる扇動者(アジテーター)だ。
ジェンタルスキはネーパーヴィル・セントラル高校の
体育コーディネーターで、かつてはアメリカンフットボールの
コーチもしていた。
生徒や同僚から、「ミスターZ」と呼ばれる白髪の男性で、
情熱にあふれ、確かな判断力を持ち、明晰な言葉で語り、
プロフットボールの選手のような堂々たる体躯に
威厳を漂わせている。
「ずいぶん長く説得して、ようやくスタッフになってもらえました」
ローラーは、友人であり仲間でもあるジェンタルスキついてそう語る。
「ですが、いったん引き受けてもらえば、あとはすべて
任せておけました。やるべき時には徹底的にやる男ですから」
活動が大きくなるにつれ、ローラーは専ら
「スポーツではなく健康増進を」
というメッセージを外に向かって宣伝する役目を担うようになった。
「ニューズウィーク誌」の取材を受けたこともあったし、
上院で証言したこともあった。
一方、ジェンタルスキは本拠地での仕事を引き受け、
セントラル高校の体育プログラムをベースとして、
「新しい体育」という機能的なモデルを築いていった。
ローラーもジェンタルスキも、運動と脳については
もはやいっぱしの専門家だ。
ローラーが主催する会議で発言者を質問攻めにしたり、
スポーツ生理学の研究会に参加したり、
神経科学の研究論文を読んだり、わかったことを
メールで報告しあったりしながら知識を増やしていった。
ちょうどその頃、わたしは本書を書くために、
運動の学習への効果を説明する具体的な方法を探していて、
当然ながらネーパーヴィルの取り組みに注目した。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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Wakayama
参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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