運動と脳の関係③
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
ミシェルとクリッシーがようやく走り終えた。
ダンカンが時間を聞くと、ミシェルのストップウォッチは
まだ動いていた。
青いボタンを押し忘れたらしい。
だが、クリッシーは押していたため、
二人の時間は同じとみてよかった。
クリッシーは手首を掲げ、
ダンカンにストップウォッチを見せた。
「10分12秒」
ダンカンはクリップボードに時間を書き込む。
「ずいぶんとダラダラ走っていたようだな」
などとは言わない。
実際、二人はだらだらしていた訳ではなかった。
ダンカンがミシェルの記録をダウンロードすると、
10分間の平均心拍数は191。
それは、訓練を積んだ運動選手にとっても
激しい運動を示す数値であった。
ミシェルはこの日、Aの評価をもらった。
「0時限」に参加する生徒たちは、
読解力が標準以下だったために、
リテラシー(読み書き)の授業が必修となった
新入生の中から志願してきた生徒たちで、
セントラル高校で体育を専攻している
他の生徒たちよりずっと熱心に取り組んでいる。
彼らは最大心拍数(一般的に大人の場合は220から自分の
年齢を引いた値を理論上の最大値とみなす)の
80~90%の間で運動するよう指示されている。
「私たちがやっているのは、厳しい運動を通して
学習の準備をさせようとする試みです。
要するに、頭をしっかりと目覚めさせてから
授業に送り込んでいるのです」
と、ダンカンは言う。
一方で生徒たちはどう思っているのだろう。
「いいと思うわ」
ミシェルは言う。
「早起きしなきゃいけないし、汗をかいて気持ち悪かったり
するけど、一日中以前より目が覚めている気がするの。
昨年はいつもイライラしてたのよ」
ミシェルは気分がよくなったうえに、
読解力もついてきた。
それは、「0時限」に参加している生徒全員にいえることだ。
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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