運動と脳の関係②
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
さて、「0時限」の狙いは
授業前に運動をすることで
読解力や他の能力や成績が上がるかどうかを
明らかにすることである。
なぜ成績向上を期待するかというと、
近年の研究により、運動が生物学的変化を引き起こし、
脳のニューロンを結びつけることがわかったからだ。
脳が学習するには、
そうした結びつきが作られなければならない。
神経科科学者がこのプロセスについて研究するうち、
運動が何よりの刺激となり、脳が学習の準備をし、
意欲を持ち、その能力を高めることがわかってきたのだ。
とくに有酸素運動は「適応」に劇的な効果を及ぼす。
「適応」とは、心身のシステムのバランスを整え、
その能力を最大限にしようとする機能であり、
自分の可能性を切り開いていこうとする人にとって、
欠くことのできないメカニズムなのである。
そばかす顔に眼鏡をかけたダンカン先生は、
トラックを走る生徒たちを監督する。
「ぼくのストップウォッチが動いていません」
一人の男子生徒が訴える。
「赤いボタンだ。赤いボタンを押して! 最後に押すのが
青いボタンだ」
先生が叫ぶ。
ミシェルとクリッシーという二人の女子生徒は、
肩を並べてのろのろ走っていく。
ひもがほどけたままのスケボー用の靴を履いた少年が
走り終え、心拍計を持ってきた。
8分30秒、と出ている。
次に来たのは、ダブダブの短パン姿の大柄な少年。
「心拍計を持ってきて、ダグ。何分かかった?」
ダンカン先生が聞く。
「9分です」
「きっかり?」
「はい」
「よくやった」
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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Wakayama
参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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