運動と脳の関係㉘
運動と脳の関係について、
シリーズでお届けしています。
現在、タイタスヴィルの中学校には
クライミングウォールがあり、そのフィットネスセンターには
最新のトレーニング機器が並んでいる。
大半は寄付されたものだ。
サイバー・トレーザーは、スタンド型ゲーム機のような
最新機器で、生徒はスクリーン上の点滅する光を追いかける。
サイクリングマシンもあり、子どもたちはビデオ画面上で競争
しあったり、ツール・ド・フランスのコースで
仮想のランス・アームストロングと競争したりもできる。
マッコードはまた、地域社会に手をさしのべ、
学校のフィットネスセンターを高齢者施設の入居者に開放した。
そして、学校内では他の科の教師たちに取り組みへの参加を
呼びかけた。
その結果、英語の授業では、人前で話すときに心拍計を使い、
数学の授業ではグラフ化を学ぶ材料として、
体育のデータを使うようになった。
2000年にプログラムがスタートしてから、
タイタスヴィルの生徒たちの標準テストの点数は、
州の平均以下から、リーディングが州平均の17%上、
数学が18%上になった。
だが、等しく重要なのはマッコードが気づいた
心理社会的な効果で、2000年以降、
550名の中学生の中で殴り合いが一度も起きていないのだ。
この学区が自力で成功した話を聞きつけて、州の議員や
国の疾病管理予防センターの長までが視察にやってきた。
そうした視察の一団を案内しながら、中学校の
クライミングウォールの前を通りかかった時、
マッコードはステファニーという少女がその真ん中あたりで
動けなくなっているのに気付いた。
本ばかり読んでいる少々太めの女の子で、
皆が見ている前で失敗しそうだった。
しかし、ステファニーが必死で頑張っていることを見てとった
クラスメイトが声援を送り始めた。
「行け! ステファニー」
ステファニーは頂上まで登ることができた。
あとでマッコードが話しかけると、
ステファニーは泣き出した。
マッコードは回想する。
「皆が声援を送ってくれていること信じられなかったそうです。
応援があったから登れたんです」
次回に続きます。
ジョン.J.レイティ著
「脳を鍛えるには運動しかない」
~最新科学でわかった脳細胞の増やし方~ より
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参考書ソムリエカウンセラーのブログ
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